知らぬ間に街を侵食してゆく「珈琲人形」と物書きの「私」と、紅茶屋の娘「すな子」の失踪に織りなされる前篇。贋作春画師の男と同棲を始めた「すな子」の恋の激しい顛末を描く後篇。
時代は抄果十三年。開国東京に置き去りにされてしまったこの街で、すな子を愛する。すな子をおもちゃにして遊ぶ。自己嫌悪でまたすな子を抱く。
どうせ人形なのだから。
著者はこの本に詩を書き込むことで、すな子をなぶり続ける。
──どうせ人形なのだから。
平易な文章の裏側に隠された激し過ぎる恋を、小説と詩と写真を交ぜて物語る一冊。
(版元紹介文)
文庫判/168ページ
発行=白昼社
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